新撰組恋絵巻(完)




【沖田サイド】







時は少し遡る。








神楽が屯所を出てから数日が経った朝のこと。








――夢を見た。







神楽が僕の前からいなくなってしまうという想像もしたくない夢を。









「神楽!!」







いくら彼女の名を呼んでも振り向いてくれることはなくて…。







それでも追いかけて追いかけてやっと捕まえたと思えば、紡がれた言葉は永遠の別れを意味する残酷な一言。









「さよなら」








嫌だ嫌だ嫌だ。そんな言葉聞きたくない。







「……司」







僕にはあのコが必要なんだ。







「……総……司」






それほどまでに僕は神楽が好きなんだ。







「おい総司!!」







「……っ」






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