新撰組恋絵巻(完)
目が覚めると何故か目の前に土方さんがいた。
もしかしてこれ、さっきの夢の続き?
……うわ~、よりにもよって夢にまで土方さんが出てくるなんて最悪だ。
「ったく。心配させるんじゃねぇよ」
頭は覚醒しているはずなのに気持ち悪い土方さんの顔はいつまで経っても消えない。
それはつまり…。
するといきなり土方さんの拳が僕の頭に直撃した。
ああ…やっぱり本物か。
「ちょっ!!痛いじゃないですか。何ですか、いきなり」
「うるせえ。お前、いま俺のことバカにしただろ!?」
「はあ?被害妄想ですか?」
変なところ鋭いんだから、この人は。
頭にたんこぶができていないかを確認しながら、僕は心と裏腹な言葉を吐く。
「……身体の調子はどうだ?」
「身体?別にいつも通りですけど」