新撰組恋絵巻(完)




何故、土方さんがそんなことを聞くのかさっぱり理解できなかった。









「んなわけねぇだろ。お前の病気はあいつが…」








そこまで言いかけて土方さんはしまったという焦りの表情を浮かべた。










「……なんです?はっきり言ってくださいよ」








「あ、いや、それはだな…」








この人にしては珍しい歯切れの悪い言葉がやけに気になった。







「……土方さん、僕に何か隠してますね?」









「………」








しかし、意地の悪いこの人がバカ正直に本当のことを話してくれるとは思えなかったので、ここは軽くカマをかけてみる。










「梅の花 一輪咲いても 梅は梅」










僕の一言に土方さんの肩がビクッと震えた。








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