新撰組恋絵巻(完)
「カッコイイこと言ってもダメですよ」
いいじゃないですか。最後くらい格好つけさせて下さいよ。
「帝さんってつくづく損な性格ですよね」
ええ、十分自覚しています。それよりも明日、私の式神を屯所に飛ばしましょう。私が神楽のいる場所まで案内致します。
「色々ありがとうございます」
言っておきますが、これは全て神楽のためですから。
「はいはい、分かってますよ」
……どうかあのコをよろしくお願いします。
その言葉に力強く頷くと、僕の意識はさらに深いところにまで落ちていった。
これが全てのタネ明かし。
(完)