新撰組恋絵巻(完)
目が覚めたら屯所…
【神楽side】
鳥のさえずる声で目が覚める。
視界に映るのは見慣れない天井。
そして隣りには片膝をつきながら眠っている若い男の姿があった。
状況が飲み込めず、思わず起き上がろうとした瞬間、腕に痛みが走る。
腕には包帯が巻かれ、しっかりと手当てがされていた。
(着物も変わってる…血まみれだったものね)
ということは既に自分が女であることはバレているだろう。
――すると眠っていた男が目を覚ました。
「おはよう。気がついたんだね」
眩しいほどの笑顔で話しかけられ、私は困惑する。
「……あの、ここは?」
「ここは新撰組の屯所。そして僕は一番隊組長を務める沖田総司です」
「……え?」
多分、私はすごく間の抜けた顔をしていたと思う。