新撰組恋絵巻(完)
「俺の着物が水に濡れて台無しだ。もちろん責任とってもらえるんだろうなぁ?」
「ご、ごめんなさい。実はウチ、雇ってもらったばっかりで…!!」
どうやら下働きの娘が誤って男の着物に水を溢してしまったらしい。
「……気に食わねぇんだよ」
男がスラリと腰の刀を抜く。
次の瞬間、店のあちこちから悲鳴が聞こえた。
(やれやれ…何でも力で解決すればいいとでも思っているのか?)
男の行動に呆れながらも私はすかさず抜刀し、その太刀を受け止めていた。