新撰組恋絵巻(完)
「そこまで言うなら認めてやらないでもない。だが、それはお前の怪我が治ってからだ。それと一応、入隊試験を受けてもらう」
「トシ…」
近藤さんはあまりいい顔はしなかったが、最終的には土方さんの言葉に頷いたのだった。
「はい、ありがとうございます」
「それじゃ、神楽ちゃん。僕の部屋に案内するからおいで」
「あ、はい」
私は急いで沖田さんの後を追った。
広々とした廊下を二人並んで歩く。
すると沖田さんが満面の笑みで呟いた。
「それにしても土方さんと同じ部屋にされなくて良かったね」
言葉の意味がいまいち理解できず、思わず聞き返す。
「どうしてですか?」
「だって土方さんっていつもあんな感じだよ?
一日中あの人と一緒にいたら息が詰まって仕方ないと思うけどなぁ」