新撰組恋絵巻(完)
沖田さん、その台詞…笑顔で言うことじゃないです。
さっきも思ったけど、沖田さんって意外に腹黒…?
「悪かったな。息が詰まるような人間で」
すると、いきなり土方さんが現れた。
もちろん今の会話も全部筒抜けだったに違いない。
「……土方さんって地獄耳ですよね。陰険っていうか執念深いっていうか」
「てめぇは俺を貶すことしかできねぇのか」
でも何だかんだ言って二人とも仲が良いのだろう。少なくとも私はそう感じていた。
――そしてその日の夕飯の席、私のことを他の幹部の方達に紹介することとなった。
「今日からお世話になります。西崎神楽です」
私が自己紹介をすると、一番背の高い男の人が感心したように呟いた。
……ええと、確かこの人は原田左之助さんだったかな。
「へぇ、新入り隊士か。うちに入隊を希望するたぁ珍しい奴もいるもんだな」