新撰組恋絵巻(完)
そしてしばらくした後、土方さんが私の処遇について話し始めた。
「西崎の正式な隊務は怪我が完治してからだ。
どの隊に配属させるかはこいつの腕を見てから決める」
「……副長、一つ疑問があるのですが」
すると、それまで黙々とご飯を食べていた斎藤さんが口を開いた。
彼、斎藤一さんは三番隊組長で居合いの達人らしい。
「ん?何だ、斎藤」
「新撰組に女人を置くと決められたのには相応の事情があってのことでしょう。しかし、その経緯について教えていただいてもよろしいでしょうか?」
「ああ。今、説明しようと思ってたところだ」
やはり斎藤さんはすでに私が女だと言うことを見抜いていたようだ。
私の場合、男装っていっても服装と髪型を改めただけだし。
少なくとも幹部隊士の皆さんは気づいているはず――。