新撰組恋絵巻(完)
「なんだ小僧、死にてぇのか」
思わぬ邪魔が入ったことで男の機嫌はますます悪くなってしまった。
「……この娘も反省しているようですし刀を納めてはいただけませんか?」
気に食わないの一言で刀を抜くような輩が説得に応じるとは思えなかったが、一応説得してみる。
「ガキが舐めた口聞くんじゃねぇよ!!」
……ああ、やっぱりこういう展開か。
案の定、私の説得は無駄に終わり激昂した男は刃に力を込める。
私は男の刀を上手く切り返すと素早く間合いを詰め、次の瞬間には相手の喉元に剣を突きつけていた。