新撰組恋絵巻(完)
そっか。新撰組の仕事って巡察だけじゃないよね。
「詳しいことは朝ご飯の後で教えるね」
「はい、よろしくお願いします」
私と沖田さんは手早く着替え、広間へと向かう。
すると、そこにはすでに朝ご飯と思われる膳が用意されていたのだが…。
(……これ食べ物だよね?)
目の前には黒焦げのご飯と怪しげな色をした汁物、そしてお新香が並んでいる。
私は思わず目を瞑りたくなった。
「うわ、今日も凄いものが並んでるね。今日の炊事当番は新八さんと左之さんか」
「っていうか、ここ最近まともな料理なんて出てねぇじゃん」
沖田さんと平助がそんなことをこぼす。
今の会話から察するに炊事や洗濯は当番制らしい。確かに男所帯には辛いものだろう。