新撰組恋絵巻(完)




「ちなみに今日の炊事当番は僕だから。神楽ちゃんも手伝ってね?」





「はい、もちろん」







それから沖田さんは屯所の中を案内してくれた。







本当は掃除や洗濯を手伝いたかったのだけど、怪我人はゆっくり寝てろと土方さんに言われてしまい、私は素直に休むことにした。







――そしてあっという間に夕飯時。






今、沖田さんと一緒に夕飯の支度をしている。






「あっ!!沖田さん、吹きこぼれてます!!」





「ん?ホントだ~」






いやいや、そんなのんびり構えてないで手を動かして下さいよ。








「それに何ですか?この無残に切られた山菜達は…」






「刀の扱いならバッチリなんだけどね。包丁の扱いはからっきしでさ。同じ刃物なのに、どうしてこんなにも違うんだろうね?」








……それ、私が聞きたいくらいですよ。








色々覚悟はしていたつもりだけど沖田さんの料理の腕は私の予想を越えるものだった。







「味噌汁は私が作りますから沖田さんはお米を炊いてくれますか?」






彼に包丁を握らせてはいけないと悟った私はそう命じた。







「はぁい」





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