新撰組恋絵巻(完)




「……っ」





私が笑顔で答えると平助は僅かに顔を赤らめ返事もせずに走っていってしまった。






……私、何か変なこと言ったかな?






そんな彼の行動に首を傾げていると原田さんがぽつりと呟いた。






「平助も大変だな」





「大変?」






そう聞き返すも原田さんに軽くかわされてしまった。






「いや、何でもねぇよ」







全員の膳を運び終え、近藤さんが号令をかけると皆はそれぞれ料理を口にした。






「ん?この味噌汁は誰が作ったんだ?」







味噌汁を口にした永倉さんがそんなことを言い出した。







「確か今日の夕飯当番は総司と神楽だったよな」






「味噌汁を作ったのは私ですけど、もしかしてお口に合いませんでした?」







一応、江戸の味付けにしたつもりなんだけど。






「いやいや、そうじゃなくてよ。こんな上手い飯食ったの久々だから俺、感動しちまって…」





永倉さんの言葉に平助もうんうんと深く頷いた。




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