新撰組恋絵巻(完)
新撰組の幹部っていうから怖い人達ばかりなんだろうなって思ってたけど、実際はいい人達ばかりのようだ。
ここで生活することへの不安が少しだけ溶けてなくなるのが分かった。
――それから一週間後
【沖田side】
神楽ちゃんが新撰組にやってきてから早くも一週間が過ぎようとしていた。
彼女と一緒にいる時間が増えれば増えるほど自分の気持ちに嘘がつけなくなっていく。
それに彼女の笑顔を見ると心臓をギュッと鷲掴みされたみたいに苦しくなる。
「……沖田さん?」
そんな僕を現実に引き戻したのは皮肉にも神楽ちゃんだった。
「何か考え事ですか?ぼーっとしてたみたいですけど」
まさか君のことを考えていたなんて口が裂けても言えないよね。
何を考えていたのか悟られたくなくて、つい意地悪が口をついて出た。