新撰組恋絵巻(完)
「……総司?」
彼女は僕の名前を口にした後、ぶんぶんと頭を振った。
「無理です!!やっぱり呼べません!!」
「今、呼んでくれたじゃない」
まあ呼ばせたようなものだけど。
「……恥ずかしいです」
「ふーん。つまり、僕の言うことが聞けないってこと?」
「え、あの…沖田さん?」
何かを察したらしい神楽ちゃんは後ずさる。
「この一週間、君の面倒を見てきたのは誰だっけ?」
「うっ」
「まあ炊事当番に関してはかなり助けてもらったけど」
気づけば僕は神楽ちゃんを壁際に追い詰めていた。