新撰組恋絵巻(完)
――そして、その日の夕飯の席、私の入隊祝いが行われた。
しかし入隊祝いというのは建て前で永倉さんや原田さんはただお酒が飲みたいだけのようだった。
「新八、左之。飲み過ぎだ。酔い潰れたお前達を介抱せねばならぬこっちの身にもなれ」
「そう堅いこと言うなよ。祝いの席くらい好きなだけ飲ませてくれって」
「左之の言う通りだ。それに斎藤。俺ぁ、まだまだ飲めるぜ!!」
どうやら二人ともかなり酔っているらしい。
「おう神楽、酒注いでくれ~」
原田さんは空になった盃を振りながら私に酌をするよう言った。
「はい、どうぞ」
私は言われた通り原田さんの盃にお酒を注ぐ。
「おお、悪いな。やっぱ酒の席にいい女がいると味も違ってくるぜ」
「あ~左之さん、ずりぃぞ。神楽独り占めすんじゃねぇって」
「何だよ平助。男の嫉妬ほどみっともねえものはねぇぜ」
「なっ!!俺は別にそういう意味で言ったわけじゃ…!!」