新撰組恋絵巻(完)
そういう平助もだいぶ飲んだのだろう。顔が赤くなっている。
「神楽~、左之さんなんか放っといて俺のとこにも来てくれよぉ」
「ん?はいはい。今、行くね」
私は原田さんの側を離れ、平助のところへと向かう。
まあ酔っぱらいの扱いには慣れているつもりだし。
(酒癖の悪さに関してはあの人が一番だもの…)
「……平助、さすがに飲み過ぎじゃない?」
「いや、まだ飲めるって。っていうかお前は飲まねぇのか?」
「私、お酒はちょっと」
「え?飲めねぇの?」
平助は私の言葉に目を丸くする。
「飲めないわけじゃないんだけど、そんなに強くなくて」
「お前のことだから酒にも強いのかと思ってたけど意外だな。っと、銚子が空になっちまった」
「私、新しいの取ってくるね」