新撰組恋絵巻(完)




そして二人並んで縁側に腰を降ろす。








今宵は雲一つない綺麗な夜空で、上弦の月が眩しいほど美しく輝いていた。








「綺麗な月だね」






「……うん。ほら神楽ちゃん、こっちにおいで」







総司は私の手を引くと、自分の方へと引き寄せた。








「さすがに夜は冷えるね」








そう言いながら、彼は私が寝つけなかった晩してくれたように優しく抱きしめてくれた。






その温もりが心地よい。








「総司はお酒飲まなかったの?全然、酔ってないみたいだけど」






「飲んだけど新八さん達ほどじゃないから」






「皆、楽しそうだったね」







先ほどの楽しそうな光景が頭に浮かび、思わず笑みがこぼれた。







「君の入隊祝いだったはずなのに、結局楽しんでたのは新八さん達だったね」






「ううん。その気持ちだけで嬉しかったし、私も楽しかったよ」




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