新撰組恋絵巻(完)
「………」
悔しいことにその通りなので何も言えない。
そんな会話を交わしながら私達は朝ご飯を食べに広間へと向かったのだった。
そして、その夜。
私は妖の姿になってしまっていた。
あらかじめ事情を知る者以外には術を施しておいたので問題はない。
とはいえ、この姿を人前に晒すことに慣れていないので正直なところ戸惑っている。
「……神楽、いつまでそうしてる気?いい加減、顔見せてよ」
「だって恥ずかしいし」
私は布団を頭から被り、部屋の隅でうずくまっていた。
「僕が相手でも?」
「うん…ちょっとだけ怖い」
耳とか尻尾とか生えてるし。髪だって銀色に光り輝いている。