新撰組恋絵巻(完)
(拒絶されると思ったのにまさか気に入られるとは思わなかったな)
「はいはーい。それじゃ野次馬三人組は帰ってね」
すると今の今まで黙っていた総司が三人の背中を押しながら言った。
笑顔を浮かべてはいるものの、その声音は心なしか冷たい。
「ちょっ!!総司、押す…」
永倉さんが最後まで言い切らないうちにピシャリと閉められた襖。
騒がしい連中がいなくなったことで部屋の中は一気に静まり返る。
「ほら、僕の言った通りだったでしょ?」
「確かにあの反応はちょっと予想外だったかも」
秘密を明らかにしたこの夜、私は本当の意味で皆に心を開くことができたのだった。