新撰組恋絵巻(完)
「はい。局長の御身はこの命に替えても」
私がそう答えると近藤さんは苦笑いを浮かべた。
「大丈夫だって。俺達がついてるんだし」
平助が明るくそう言ってくれる。
「そんじゃ、近藤さん達も気をつけてな」
「ああ。では出陣!!」
近藤さんのかけ声を合図に私達は屯所を後にした。
その途中、平助が唇を尖らせながら独りごちる。
「いいよなぁ。土方さん達の方が絶対当たりだって。俺もホントはあっちに行きたかったんだけど」
「だったら今からでも土方さん達のあと追っかけたら?」
総司が飄々とした口調で言い放つ。
「そんなわけにはいかねぇよ!!俺には近藤さんと神楽を守るって役目が…」