新撰組恋絵巻(完)
あちこちで刀と刀がぶつかり合う金属音が鳴り響く。
私も次々に襲いかかってくる浪士達を捌いていった。
初めのうちは有利に戦いを進めていた新撰組だが、次第に不利な状況へと追い込まれていく。
「おい総司!!大丈夫か!?」
その時、永倉さんの声が聞こえてきた。
……総司に何かあったのだろうか?
嫌な予感がして私は急いで声のした方へと向かった。
そこには何人もの浪士を相手にしている永倉さんの姿があった。
「永倉さん!!何かあったんですか!?」
「西崎!!総司が手負いみてぇなんだ。あいつを頼む!!」
私は力強く頷くと総司の元へと駆け出した。
血の匂いが濃く漂う中、私は彼を探す。
「……げほ、げほ、げほっ」