新撰組恋絵巻(完)
「はい。ご一緒させていただきます」
「そうこなくっちゃな。平助や総司も一緒に来るか?」
「俺はいいよ。今そんな気分じゃねぇし」
「僕も遠慮させてもらおうかな。ちょっと風邪気味だし」
あれから総司は時々、苦しそうな咳を繰り返すようになった。
本人は風邪だと言い張っているが本当は―。
「………」
「斎藤はどうする?一緒に来るか?」
「生憎、俺は女になど興味はない。お前達だけで行ってくるといい」
皆の返答に永倉さんは不満そうに呟く。
「なんだよ皆、付き合い悪ぃな」
「今回は仕方ねぇよ。ほら、とっとと行くぞ」
原田さんに背を押される形で広間を後にする。
こうして私達三人は島原に行くことになった。