新撰組恋絵巻(完)
分かっている。そんなのいつものことなのだから。
帝を責めるような言い方しかできない自分に腹が立つ。
「今回はずいぶん心配をかけてしまったみたいだね。私はこの通り無事だから大丈夫だよ」
しかし帝はまるで子供に言い聞かせるような優しい声音で私の頭を撫でた。
「また子供扱いして…」
「別にしてないよ?」
その時、私を呼ぶ原田さんの声が聞こえてきた。
「神楽~そろそろ帰るぞ~」
「連れが呼んでいるようだね」
思えば席を外すことを永倉さん達に一言も言ってこなかったと気づく。
「私、もう帰らないと」
「ああ。しばらくしたら私の方から君を迎えにいくから待っていなさい」
「……え?」