Bet



「失礼しました」



用事が済んで、あたしは急いで階段をかけあがり、自分の教室に向かった。



けっこう時間かかちゃった。



ガタンッ



「・・・・?」



あたしはそこで足を止めた。




「最低よアンタ!!」


「違う!」


「ちょっと、村上さん落ち着いて!」



え・・・菜乃香と湊?


それに他にも何人かいるみたい・・・



なに?ケンカ?!




教室を覗こうと足を一歩前に出したとき、教室から聞こえてきた言葉にあたしは心臓を何かに貫かれたような痛みを感じた。





「この間聞いた時も耳を疑ったわ!和樺を誰が先に落とせるか賭けてたなんて、どこまでクズなのよアンタたち!!」






チラッと見えた湊の顔は、焦っているようで青ざめていた。






< 17 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop