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4◆偽りと真実
当日──────────
「和樺!」
待ち合わせ場所で待っていると、手を振りながら湊が走ってきた。
「おはよう、湊」
「おはよう和樺。待たせてごめんな」
「ううん、あたしもさっき来たばっかだし」
「そっか、じゃぁ行こう」
湊はあたしの手をとると、歩き始めた。
あぁ、きっと手を握るのも今日が最後なんだろうな。
そう思うと、別れを言うのを躊躇ってしまう。
だって、気持ちがないのは湊だけで、あたしはまだ湊が好きだもん。
だけど、一方通行の愛なんて辛すぎるだけ。
だから、どんなに楽しくても、今日あたしは湊と別れるんだ。