Ｂｅｔ

考えていると、向こうから笑い声が聞こえてきた。



『ｸｽｯ 混乱してるみたいね。でも混乱する暇があるなら行ってあげて』


｢･････････････････｣



行ってあげてって･･･

自分が惨めになるだけなのに

どうして？



｢あなたは知らないでしょ？湊は最低な理由であたしに近づいてきた。それで今は、気持ちもないくせにあたしと付き合ってる。それなのに｣


｢･･･全部知ってるわ｣



え？



｢あたしがしつこく聞くから教えてくれたの。･･･湊、和樺ちゃんのこと本当に愛してるのよ。いつも楽しそうにあなたのこと話してた。だけど、辛そうだった｣


｢辛そう？湊が？｣


｢うん。彼ね、和樺ちゃんと付き合う前はあんまり女の子好きじゃなかったみたいなの。だから、平気で友達の悪い誘いに乗って、あなたを騙す賭けをしたのよ｣


｢･････････｣


｢だけど、仲良くなって行くにしたがって、あなたにどんどん惹かれていった。だから、付き合う時に友達に　この賭けはなかったことにしてほしい　って言ったんだって｣



じゃぁ、それじゃぁ今は･･･



｢もうわかったでしょ？今はあなた一筋。あなたを心から愛しているのよ｣




湊･････････