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「だけど」と言って湊はあたしを見つめる。




「和樺への気持ちは本物なんだ。笑顔が見たい、名前を呼ばれたい、いつも一緒にいたい、触れたい。そう思うのは和樺が初めてなんだ」


「湊・・・・・・・」


「あの日、もしかして聞いてたんじゃない?」



あの日、それはあたしが賭けのことを偶然耳にしてしまった日のこと。



頷くと、彼はため息を吐いた。




「避けられているのを感じてそうじゃないかと思ったんだ」


「たまたま聞いたの。それから湊のことが信じられなくなって、今日別れるつもりで1日過ごしてた」



ビクッと肩が震える湊。



「ごめん。俺が話すのをためらってたからこんなことになったんだ。本当にごめん」


「もういいんだよ、湊・・・」


「よくない!お願いだ、別れるなんて言わないで。別れたくないんだ」



震える体であたしを抱き締める湊。



「愛してるんだ。心から・・・」



あたしは安心させるように、そっと湊を抱き締めた。




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