Bet
放課後─────────
「湊、今日もバイト?」
「あぁ、ごめんね。あと1週間だから」
湊はあたしの左手をとって握りしめながら、申し訳なさそうに謝ってくれた。
「いいの。バイト頑張ってね!」
3週間前から湊はバイトを始めたみたいで、その日からあたしは一人で帰ってる。
「ありがとう。夜メールするからね」
「うん、待ってる」
そう言って、あたしの頭を撫でてくれた。
そのしぐさはあたしの大好きなもの。
大きくて優しい手に包まれていると、安心する。
それからあたし達は校門のところで別れた。