ただ、しあわせ
優しく唇を奪われる。


「そろそろ起きようか?」


「まだ眠いよ」


「朝ごはん、愛海の好きなもの作るよ?」


「うん」


ゆっくりと起き上がると、恭介はベッドから下りる。


「また寝ちゃダメだからな」


「はぁい」


軽く私の頭をなでると、恭介は寝室を出て行った。


「恭介の言うとおり、恋愛小説の読みすぎかな?」


でもなぜか思ってた。


小説の通り現実も、恭介みたいにいい男の人は、苦労して大変な思いをした人のところに、王子様みたいに現れるって。


だから平凡に生きてる私には、やっぱり平凡に生きてる普通の男の人がお似合いだって。


でも恭介みたいな完璧な人が、私の前に現れた。


きっと、どんな人生を歩いてるなんて関係ないんだね。
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