わたしの好きな男の、恋のはなし。
体に電撃が走ったのは、もう一目見た瞬間から。
ビビってきたの〜!とか自信ありげに語るヤツ、ビビってなに?馬鹿じゃん?とか内心思ってたけど。思ってましたけど。
…こんなことってホントにあるんだって思った。一目惚れとか全く信じてなかったし。
それに新縄さんは、見た目だけじゃなかった。
優しくて。
大人で。
面倒見が良くて。
気が利いて。
指折り数えたら、両手じゃ足りない。
いるだけで、まわりを明るくしてくれる。そんなひと。
今までのレンアイなんてもう…何て言うか。ママゴトだったんじゃないですかねっていうくらい。
つまり。すなわち。ゆえに。
…新縄さんはあたしにとっての初恋だったのだ。
だった…のに。
「はぁ…」
まさかの一緒に暮らしてる彼女、ねぇ。
今までは彼女がいようがいまいが関係ないと思ってたけど…さすがに同棲までいくとなると。
しかも、新縄さん誠実そうだし。そこがいいんだけど。
そんな簡単に気を移すような人じゃないだろうし。…そこがまた、好きなんだけど。