ロンリーウルフ

レイヤの腕の中でもがきながら、ささやかに抗ってみせる。

「やめ言うてるやんか」

「やだ。やめねぇよ」

「クソガキに興味ないねん」

「レ・イ・ヤ」

耳を放さないクソガキ。

二十歳のクソババァをナメんなよ。

あたしは少しだけ自由になった左手を、脇腹目掛けて思いきり降り下ろした。

ボスッ

という軽い音と

「うぉっ……ぷ」

という重い声。

あたしの体は、やっと解放された。

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