永久の灯火†久遠の祈り
0.紅い夜
… 10 years ago …
風もない静かな夜。満月だけが明るく街を照らしていた。
その街の一角、よくある古い縁側付きの一階建ての民家に一組の双子がいた。
姉のリオと弟のハルトである。まだ幼い二人は同じ部屋で並んで蒲団に入っていた。
「ハル、まだ起きてる?」
仰向けになり天井を見上げていたリオが呟いた。
「……リオ?」
姉の様子がいつもと違うことに気付いたハルトはリオの方を向いた。
まだ上を見ているリオの瞳から一滴の涙が零れた。
それを見たハルトは飛び起きた。
「リオッ!?」
「……ハルッ!!」
突然ハルトに抱き着いたリオはそのまま泣き始めた。
理由も言わずただ泣きじゃくるリオにハルトは困惑の表情を浮かべていたが、しばらくすると自分をきつく抱き締める姉の背中を優しく撫でた。
「ごめんッ……ごめんね、ハル」
ただただ泣いて、謝罪の言葉を述べるばかりのリオ。
その姿は明らかに異常だった。
「……し…せ…で……」
リオが微かに呟いた。
今にも消え入りそうな声はハルトにだけ届き闇へ飲み込まれた。
『私のせいで、みんな死んじゃう』
風もない静かな夜。満月だけが明るく街を照らしていた。
その街の一角、よくある古い縁側付きの一階建ての民家に一組の双子がいた。
姉のリオと弟のハルトである。まだ幼い二人は同じ部屋で並んで蒲団に入っていた。
「ハル、まだ起きてる?」
仰向けになり天井を見上げていたリオが呟いた。
「……リオ?」
姉の様子がいつもと違うことに気付いたハルトはリオの方を向いた。
まだ上を見ているリオの瞳から一滴の涙が零れた。
それを見たハルトは飛び起きた。
「リオッ!?」
「……ハルッ!!」
突然ハルトに抱き着いたリオはそのまま泣き始めた。
理由も言わずただ泣きじゃくるリオにハルトは困惑の表情を浮かべていたが、しばらくすると自分をきつく抱き締める姉の背中を優しく撫でた。
「ごめんッ……ごめんね、ハル」
ただただ泣いて、謝罪の言葉を述べるばかりのリオ。
その姿は明らかに異常だった。
「……し…せ…で……」
リオが微かに呟いた。
今にも消え入りそうな声はハルトにだけ届き闇へ飲み込まれた。
『私のせいで、みんな死んじゃう』