永久の灯火†久遠の祈り
莉人が本当に理解しているかどうかは定かではないが、レオは理解したとのだと解釈した。

「星霊は役目を終えたら帰る、か。じゃあ帰ったあとはどうなるんだ?」

莉人は教えられたことを復唱した後、顔だけをレオの方へ向け新たに尋ねた。

『姿は見えなくても近くにいるし』

「なーんだ、異世界へ帰るとかじゃないのか」

『そんなファンタジーな世界はないし』

レオは呆れたような声で答えた。

「あたしから見ればここは歴としたファンタジーランド……」

莉人がため息混じりに呟くが、レオは気にすることなく話を変えた。

『明日から授業が始まるし。早く寝るし。ただでさえ莉人は寝起きが悪いし。起こす方の身に――』

「はいはい。おやすみー」

小言を言いだしたレオを遮り、莉人はそそくさと布団に潜り込んだ。レオはそれを見てあからさまにため息を吐いた。直後レオの姿がぼやけ始めた。

『おやすみ、リヒト』

そう言うとレオの姿は完全に宙に溶けた。



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