永久の灯火†久遠の祈り
それから一時間後の教室。

「じゃあ今日はここまで。本番は午後からだから心しとけよ」

芝は思いの外まともな授業を終え、意味深な言葉を残して出て行った。

「んー!終わった終わったー!!」

心優は芝が出て行ったのを確認して伸びをする。

「ん?莉人、どうしたの?」

隣に座っている人物の様子がおかしいことに気付いた心優は莉人に声を掛けた。

「……ここはなんなんだ?」

「何って学校だよ」

深刻そうな面持ちで呟いた莉人に、心優は不思議そうな顔で答える。

「レベルが高すぎる!!」

「莉人ー!」

莉人が叫んだ瞬間心優の後ろの席、莉人の斜め後ろに座っていた壱夜が立ち上がった。
そんな壱夜を見て何かを悟った莉人も立ち上がる。

「そうか、壱夜も仲間か!」

ガシッと手を繋いで目をキラキラさせている莉人と壱夜。それを訳が分からないという表情で見ている心優。ちなみに壱夜の隣で莉人の後ろに座っている倫縷は相変わらず無表情で目の前の光景を傍観している。

「レベルって授業の内容のこと?」

首を傾げながら尋ねた心優に莉人が大きく頷く。

「授業のレベルが高いのはこの学校だけではない。他の魔法学校も同じだ」

三人の様子を傍観していた倫縷が口を開いた。

「選ばれた極少数の人間しか通えない学校というのが普通の人間が魔法学校に対して持っているイメージだ。最も魔法学校であることは極秘で、ただのエリート校として認識されているがな。そしてその認識に違うことなく教えられることはハイレベルなものだ」

「……つまり、魔法学校ってやつはとんでもなく頭の良い奴ばっかりってことか」

倫婁の説明を一通り聞いた莉人は一応理解した。

「俺は魔法だけじゃなくて勉強も底辺ってことか……」

壱夜の乾いた笑いが響いた。
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