永久の灯火†久遠の祈り
二人は手を繋いだままどちらともなく立ち上がり、襖で仕切られている隣の縁側に出た。

ガラスの外は嵐だ。


玄関の方から両親の怒声が聞こえる。

この問題は話し合いなんかじゃ決着がつかないことはわかっている。

この先にあるのは血塗れの闘いだ。


最早幼女の瞳に生気はない。


問題を解決する唯一の方法はリオの死のみだからだ。

しかしそれは同時に大きな争いを生むことになる。


リオが死に最後の光が消えれば魔法使いたちが支配する世界となってしまう。

そうなれば彼らは人間を抹殺しようとするだろう。かつて人間が異端者を処刑したように。

だがそれでは偉大なる三大魔女の死が無下になってしまう。

それだけは避けなければ……。



聞いたことのない母親の怒号と共に襖の隙間から蒼白い光が漏れた。


それが意味するのは話し合いでは折り合いがつかなくなったということ。


両親は決して弱くはない。だが、相手もそれ相応の戦力で挑んでくるはず。

そうなれば世界屈指の秀才と謳われていた両親といえども敵わないかも知れない。





もし万が一両親が死ねば、次は確実に自分たちだ。



< 3 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop