永久の灯火†久遠の祈り
「……勝手に食べていいのか?」

今にもケーキにかぶり付きそうな心優を見て莉人が首を傾げていた。

「もちろん!食堂で出てくるものは全部無料だよ」

そう言って心優はケーキを一口食べた。

「本当に?」

莉人はまだ疑っているらしく、隣にいる倫縷に尋ねた。倫縷は頷き、いつの間に持ってきたのか珈琲を啜った。

「俺も初日は驚いたぜ!この学園何もかも無料だからな!!」

壱夜は皿からビスケットを二枚取り、一気に口に収めた。

「何もかもって、食事代だけじゃくて他のものも無料なのか?」

「そうだよ。食費も寮費も学費も全部」

心優の答えに莉人は唖然としていた。

「魔法学園には多大な寄付が集まるらしくて、それで運営してるんだって」

説明し終えた心優は今度はクッキーに手を伸ばした。

莉人も無料だと言うことに納得したらしく、やっとケーキに手をつけた。



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