永久の灯火†久遠の祈り
「ん?入学式のときこんな子いたか?」

まじまじと莉人を見つめる藤森という少年。

「うん、なかなかだな。君、俺の女にならない?」

「………………」

いきなりの展開に莉人は狐につままれたような顔をしている。

「きょー・い・ち」

そんな二人のやり取りを見ていた紗奈は、物凄く素敵な笑顔を浮かべているのだが、背後からどす黒いオーラを放っている。

「この前、伊吹さんにも同じようなこと言ってませんでした?」

「勘違いするな。俺の一番は紗奈だけだよ」

藤森の表情は至って真剣だ。

「そんな言葉、信じられませんね」

そう言った直後、紗奈の足元に魔法陣が浮かび上がった。

「覚悟は良いですか?」

「良いわけねーだろッ!」

その瞬間、藤森は走り出した。

「一体何なんだ?」

いきなり戦闘を開始した二人についていけない新入生たち。

「男子寮長、藤森京一(フジモリキョウイチ)と女子寮長、楠木紗奈。学年は一つ上の二年。あー見えて二人とも学年一を競う実力者だ」

芝が特に慌てる様子もないところを見ると、二人はいつもあんな感じなのだろう。



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