永久の灯火†久遠の祈り
「ごめんなさい、空気を読めない人のせいで話がそれてしまいましたね」

そう言った紗奈の背からはもうどす黒いオーラは感じられず、穏やかなものに変わっていた。


紗奈と京一のやり取りを見ていた莉人は、紗奈だけは怒らせるまいと思うのであった。


「寮での魔法を見たときから、普通ではないと思っていましたが、まさかFランクだとは思いませんでした。是非とも手合わせしていただきたいです」

「そう言われてもなー……。ぶっちゃけ使い方わかんないし」


もうお忘れの方もいるかもしれないが、莉人は今まで自分が魔法使いであることを知らなかった。

Fランクという点だけならば学園内でも一、二を争うほどだが、残念なことに魔法に関しての知識がない。

その為実質的なランクはE-と言っても良いようなものだ。


「あぁ、そうでしたね」

寮を案内した紗奈は、あの時莉人が初めて魔法を使ったのだということを思いだし、莉人との手合わせを諦めた。



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