永久の灯火†久遠の祈り
『夏木莉人。お前に一つ忠告してやろう』

「へ?」

まだ混乱中の莉人はなんとも間抜けな顔をした。

『ここは危険だ』

「は?それってどういう意……味ッ!?」

突然床が光始めた。

「ど、どうなってんだ!?」

訳がわからず狼狽える莉人は手紙を探すが、どこにも見当たらない。

「あ!あの野郎逃げやがった!」

そうしている間に光が強さを増す。それに伴い家が悲鳴をあげ始める。

「地震か?地震なのか!?頼むから地震って言ってくれよ!!」

我を忘れ無我夢中で叫ぶ莉人。

当たり前だが誰も応えてはくれない。

「そうか、夢オチだな。目が覚めたら、なーんだ夢かってやつだろ!」

「残念。ハズレだ」

背後から男性の声が聞こえた。

莉人は即座に振り向く。

そこには二十代後半くらいの細身の男が立っていた。

特にこだわりはないであろうボサボサの茶髪に、濃い青の瞳。

「……誰?」

「話している暇はない」

男はそう言うと莉人を抱き寄せた。

「ちょッ、何!?」

「黙って掴まってろ。死にたくないならな」

「はい?」

男はニヤリと笑った。

その瞬間、二人の足元から風が生じた。



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