永久の灯火†久遠の祈り
小さな風が徐々に大きくなっていく。

「あの、風圧が半端ないんですけど」

下からの風で呼吸がしにくくなり、莉人が抗議した。

「文句言うな。考慮してる暇はないんだよ」

「だからって――」

「行くぞ」

「え?……ヌォッ!!」

男は莉人をしっかりと抱え、跳んだ。軽く地を蹴っただけで高く舞い上がる。

あっという間に外に出て、今は宙に浮いている状態だ。

もちろん天井や屋根などの障害物はあったわけだが、男はその全てを破壊した。

「おいッ!何他人の家破壊してんだよ!!」

「心配するな」

「心配するとかそういう問題じゃ――」

その瞬間家が消えた。音もなく。まるで分解されたように。

「なん、で……」

「虚属性とは、真魔派の奴らは相変わらず容赦ねーな。俺が連れ出さなきゃお前も家と一緒に消えてたかもな」

莉人は唖然として言葉を失っていた。目の前で家が消えたのだから当たり前だ。

周りを警戒していた男は突然莉人を突き飛ばした。

「ちょッ!!嘘だろッ!?」

莉人の叫びも空しく、体は宙に投げ出された。

しかしそれは一瞬で、次の瞬間には大きな何かにぶつかった。



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