永久の灯火†久遠の祈り

「子供を授かることがなかった私達にとって、莉人を家族として迎え入れることが出来たのはこの上ない幸せだった」

「例え血の繋がりはなくても、私達が家族であることに変わりはないわ」

母親はきつく莉人を抱きしめた。

「本当の両親が別にいたって関係無い。あたしの親は父さんと母さんだよ」

莉人は自分を抱きしめている母親の背を、宥めるように撫でた。

「大好きよ、莉人」

母親は莉人の耳元でそう呟くと名残惜しそうに莉人から離れた。

「莉人。何があっても私達は君の味方だ」

入れ替わるように今度は父親に抱き込められた。

父親の大きな手で頭を撫でられる。

「……今生の別れじゃないんだし、大袈裟！」

懐かしい感触に思わず泣きそうになり、慌てて父親を引き剥がした。

「困ったことがあったら遠慮なく頼りなさい」

父親は優しく微笑むと、母親と共に退室していった。