永久の灯火†久遠の祈り
一方学園長室に残された二人は、妙な沈黙の中にいた。
というのも、夏木夫妻が退室してから、学園長は何かを考えているらしく、黙り込んでしまったのだ。

「莉人」

「ふぁいッ!?」

不意打ちに莉人が奇声をあげる。

「すまないが、ある人との約束でまだ全てを話すことはできない。お前が狙われる理由くらいしか教えてやれないが、それでも良いか?」

「むしろそれが聞きたい。何であたしが魔法使い達に狙われなきゃならないんだ?」

「お前が『崇高なる双翼』だからだ」

前にも聞いた単語に莉人の顔が強張る。

「黒ずくめのやつらも言ってたけど、その崇高なる双翼って何なんだ?」

「簡単に言えば『鍵』だ」

「……鍵?」

莉人はますますわからないと言うような顔をしている。

「『運命の双子』と呼ばれる幼い子供達がいたんだが、ある夜、二人は深い眠りに落ちた。その双子を目覚めさせる鍵が『崇高なる双翼』つまりお前だ」



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