永久の灯火†久遠の祈り
「学園長は嫌でも思い出すって言ってたけど、本当に思い出せるのか?」

学園長室を後にした莉人は、ぶつぶつ言いながら廊下を歩いていた。

「……ん?」

ふと立ち止まり、辺りを見渡すと、そこは見覚えのない道だった。

「ここどこだ?」

誰もいない廊下に莉人の声が虚しく響く。

「ちゃんと来たときと同じ道通ってきたはずなんだけど……。まぁいずれ着けるだろう」

莉人は迷ったことを認めようとせず、このまま道を進むことにした。

『……………………』

「え?」

微かに声が聞こえた気がして、莉人は思わず声を上げた。

周囲をぐるりと見回すが、人影らしきものは見えない。

「この奥か?」

莉人が見つめる先には、固く閉ざされた一つの扉があるだけだ。



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