素直になれないっ
「ふーん、そっか。なら気が向いたら言ってね」
 
 東雲は笑っている。
 
 無理してる・・・
 
 いっつも軽い癖にこんな時だけ気をつかう。
 
 ずるいよ・・・

「ごめん・・・言い過ぎた・・・ただ恥ずかしいだけなの・・・今のは忘れて」

 東雲のシャツの袖を掴んで小さな声で言う。

 ごめんね、東雲。 

 私の悪い癖。

 あわてたら思ってもないことを言う。これで何度も東雲を傷つけた。

 東雲は優しく私の頭をなでてくれた。

 年下なのに・・・

 軽いのに・・・

 嫌いなはずなのに・・・

 この手を好きと思ってる

 心臓がドクドクうるさい・・・

 なんなんだろこの気持ち・・・
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