素直になれないっ
 それから数分してから手洗い場から出たとき

「あっ・・・」
   
   東雲がいた・・・

 私はわざと気付かないふりして戻ろうとした。

 なのに東雲はその道を塞いだ。

「なによ・・・どいてよ。それともなにか用?」

 少し嫌味っぽく言った。

「いや別に。幸ちゃんがなんか元気なかったからさ」

「あら、心配してくれたの?ありがとう。楽しそうにしゃべってたから気付いてないと思った
わ。でも、もう平気だからそこどいてもらえない?」

「え、ああ・・・」

 それでも東雲は前にいる。

 やだ・・・どっか行ってよ。

 こんなところ見られたくない・・・

「・・・だから東雲には関係ないって言ってるの!」

 あっ、また私・・・

「んだよ!人が心配して来たってのに」
   

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