素直になれないっ
「ふふっ、マルみたい」

「俺は犬かっ!」

 東雲の頭を拭きながらつぶやく。

「東雲はマル2号だねぇー。ねぇーマル」

「キャンッ」

「うおっ、マルまで・・・」

「あははっ」

 ほんとにマルと東雲ってそっくり。

「でも、あんときの幸ちゃんすごくキレイだったな・・・」

「えっ?なに?」

 東雲が小さな声でつぶやくからうまく聞き取れなかった。

「なあ、幸ちゃん」

「なに?」

 東雲が真剣な顔をして私を見る。

 またドキドキしちゃう。

 そっと私の頬に触れる。

   ドキッ
 
 恥ずかしくて顔が赤くなるのが私にもわかる。 

「そんなに顔赤くしなくてもいいのに・・・かわいい」

 東雲はそう言いながら優しくほほえむ。

 やだ・・・ほんと恥ずかし///

「ばっ、ばかにしてるの!?」

 恥ずかしくて東雲の手を振りはらう。

「んなわけねーじゃん」

 ほー、なら私の真ん前でニヤニヤしてる人は何処の誰ですかね?

「ふん、もう部屋に入れてあげないわよ!?」

 どーよこれでもまだ太刀打ちできるかしら?

 でも東雲はふっと笑い自信ありげな顔をする。

「へー、いいんだ・・・俺達の関係ばらしても」

   え?

「やっと幸ちゃんも暴露する気になったか」

「や・・・え・・やだ!」

「なら幸ちゃんも歯向かっちゃダメだよ?」

「うぅ・・・」

「約束だよ?いいね。じゃあ俺帰るわ、おやすみ」

 そう言って東雲は帰ってった。


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