素直になれないっ
 ~璃斗~

『生徒会からです。東雲璃斗。石田啓士、山本祐は至急生徒会室に来るよう。以上です』

 愛しい人の声が教室に響き渡る。

 よくない事があるとわかっていてもうれしくなっちまう。

 お前らもあるだろ?

「あれ~俺達なんかご氏名されっちゃたけど悪いことしたっけぇ~?」

「あ~、あれだろ。あのこん前の北高との~」

「げぇ~、めんどくせ~」

 にやける顔を隠しながら呑気にしゃべる。

「ん~!東雲何にやけてんだよ!あっ、まさか昨日の女の子お持ち帰りして食べちゃったとか!?い~な~」

 いきなり祐にばれた・・・

「んなわけねーだろ、ばーか。俺はそー簡単に女抱かねーよ」

 なーんかその発言腹立つな。

 俺はそんなチャラくねーよ。

 てか俺、幸ちゃんしか興味ねーし、抱く気もねーよ。

「なに、お前純情きどっての?・・・あれか?好きな女しか抱きたくないでーす。的な感じか?」 
 
 俺の心を読み取ったように啓士がふざけて言う。

 ・・・ドンぴしゃだよ・・・

 ・・・てめーエスパーか?

「な、んなわけねーだろ!」

 慌てて答える。

「え~、嘘っぽ~い。ほんとはいるでしょ?」

 啓士に便乗して祐まで聞いてくる。

「だー、うっせーなー」

「ねーねー、3人とも行かなくていいの?」

「え?」

 女子に言われて気づいた。

 忘れてた・・・

 さっきの事なのに・・・

「とりあえず行くか」

「あ~、話そらした~」

「うっせー、行くぞ」

 こうして2人にしつこく聞かれながら生徒会室に行った。
 
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