素直になれないっ
「凛っ」

「あっ、美香」

 振り返ると少し息を切らした美香がいた。

「碧先に行っといて後で追いつくから」

「ああ、なるべく早くしろよ」

 とりあえず碧達と別れる。 

 美香の元へ行く。

 一緒にいたメンツが珍しいのか少し驚いている。

 まあ、そりゃそうよね。

「珍しい組み合わせね。昨日は大丈夫だった?どうせあんたの事だから熟睡したと思うけ
ど・・・まあ、無理しないこと。溜め込んじゃダメだよ?」

 優しく頭を撫でながら言ってくれる。

 きっとわざわざ走ってここまで来て心配してくれたんだ。

 自惚れてもいいかな。

「ありがと。あたしは大丈夫だから!頑張って来るね」

 心配なしっ!と言うようにあたしは笑う。

 美香の顔がほころぶ。

 美香の前では素の自分でいられるから安心する。

「そっか、じゃあがんばんな!」

「うん、行ってきます」

 美香に元気づけられて笑顔になる。
 

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