素直になれないっ
門の支柱にもたれ掛かっている人がいる。

「あら?」

うっすらだけど見たことある金髪。

不信感を持ちながら門に近いていくと…

「東雲?」

無意識に声が出る。

その声に反応して振り返り一瞬笑うとあいつはいたずらっ子のような顔で笑った。

「何であんたがここに?」

「んー、なんででしょ?」

私の言ったことをおどけたように言い返し得意気に私を見る。

ん?バカにされてる?

悔しい…

あれ?よく見ると東雲耳赤い。

もしかしてあれからずっとここで待ってたの?

「東雲あんたもしかしてずっと待ってた?」

もしそうならなんだか申し訳ない…

「え、なに?もしかして心配してくれたの?   俺感激ー」

前言撤回…

「ふざけないでよ!!
これは副会長として生徒を心配しただけな  んんだから!!」

ニヤニヤして近づいてくるから少し逃げる。

「おい、俺の存在を忘れてないか?」

あ、そうだった。碧もいたんだった。

「はー、完璧忘れてたな」

溜め息をついてぼやく碧。

ありゃ、バレてた。
< 54 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop